活動レポート

中学校1~3年生向け

生命をつなぐDNAのふしぎ

開催日時:2025年3月31日(月)13:30~15:00

2025年3月31日、バイオラボの井田孝志さんが講師を務め、中学生を対象にした「DNA」に関する実験教室が開催されました。35億年にもわたる生命のつながりに大きな役割を果たしている「DNA」の不思議な世界を覗き見ながら、ブロッコリーの細胞からDNAを取り出す実験に挑戦しました。

ブロッコリーからDNAを取り出す実験

細胞が多く集まっているブロッコリーの芽の部分:花蕾(からい)を使ってDNAの抽出を行いました。花蕾を乳鉢と乳棒を用いて、すりつぶしたものにDNA抽出液を加え、フィルターでろ過すると緑色の透明な液体が得られます。この液体にエタノールを重ねるように加えると白い糸状のものが浮かんできます。これがブロッコリーのDNAです。
さらに、取り出された白い物質が本当にDNAであるかを確認する実験も行いました。エタノールを加える前の緑色の液体にDNAを特異的に分解する酵素を加え、しばらく温めた後で前の実験と同じようにエタノールを加えました。その結果、白い物質は観察されず、DNA分解酵素で壊されてしまったことが確認できました。
実験の解説では、なぜDNA抽出液に塩と洗剤が入っているのか、また、なぜエタノールを加えると白い物質となって目に見えるようになるのかといった理由についても説明がありました。加えて、DNAの中には遺伝子と呼ばれる部分があること、そして、遺伝子は体の中で適切に働き、生命を次の世代に伝えるものであるといったDNAの不思議なふるまいについて分かりやすい解説がありました。

実験を通して

参加した中学生たちは初めて触れる実験器具に最初は戸惑っていましたが、徐々に操作にも慣れてきてほとんどの参加者がDNAの抽出に成功しました。一方で、DNA分解酵素の実験では、数マイクロリットルというごく微量の試薬を確実に取り分けて反応させる操作もあり、実験の難しさも体験することができました。DNAには不思議なことが多く、少し難解な説明もありましたが、面白かった、楽しかった、という意見が多く聞かれました。